2009年11月22日

天然

91122-1.jpg


M.Jの話題が続いて申し訳ないのですが。

もう二度と映画館で「THIS IS IT」は観ることができないだろう、と書いたばかりなのに、
先日、同性の友だちにどうしても、と誘われ、ついに3回目を観に行く羽目に。

気が進まないながら承諾したのは、
その同性・同年の友だちの1人もまたすでに2回観ていて、
やはり私と同じく1度目よりも2度目の方が泣けて仕方がなかった、というので、
それなら「遠慮なく二人で号泣してくるか」と。
お互いに「同じ映画を3回も観に行くなんて生涯初」である。

私の場合は常にM.Jに対しては贖罪の思いがあり、それが観るたびにますます強くなる。
が、それまでM.Jのことはほとんど興味もなかったけれど今回誘われて初めて映画で知って、
いたく感動したという数人の年若い友人・知人たちも
「マイケルに対して、今まで申し訳なかったという気持ちになった」と言うので驚いた。
それほど―私がこれまで考えてきた以上に、M.Jに無関心の人間たちにまで
彼の尊厳を踏みにじるマスコミ報道が浸透していたということらしい。

予想していた通り、二人とも嗚咽した。泣いた。
2回目より、さらにさらにやりきれない思いや悔しさ、
痩せ細った体で、それでも力強く歌い踊るM.Jが哀しかった。
おかげで、観終わった後は喪失感から本当に気持ちが塞いでしまう。
が、結果として多分これでDVDが発売されても買うことはないだろうと確信したので、それはそれでよかったかも。
映画館の大画面で、3回とも最もいい席で堪能したので、今さらTV画面で観たいとは思えなくなった。

そして、これは初回から感じていて、今回さらに思いが強くなったのは、
彼がいまだへこたれていなかった、という事実に対しての驚き。
いや、本当に驚きだ。

あれほど不条理な、酷い訴訟騒ぎにあってもなお、環境問題に対して高い理想を謳うとは。
普通の人間であれば、あれほどの目に逢ったら、もう理想をいだき続ける勇気をなくすだろうし、
それを公言することでまた利用されたりマスコミ批判の的になるのではと疑心暗鬼になったりして当然と思うのに、
フィルムの中のM.Jは、少なくとも表面的には、その悲惨な体験が少しもかげりを落としていなかった。
相変わらず純真で、まっすぐで、恐れを知らない子どものようだった。

それがM.Jの精神の強靭さの証明なのか、
それとも―恐ろしいまでの「天然」なのか―この点は疑問として残り続けた。
いや、「天然」に勝る強さはないという証明なのか―

165-a.jpg


※以下はM.Jファン、もしくは「THIS IS IT」を鑑賞した方だけお読みください。

ニックネーム Lin at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月07日

告別

M.Jの映画「THIS IS IT」は2度観た。

1度目は公開初日に独りで。
というのも、翌週に友だち数人と一緒に観に行く約束があったので、
先に心置きなく観ておきたかったのと、
万一―号泣なんかしたら恥ずかしいので、「馴らし」の目的もあって。
私にとっては楽しみな公開というより、なんだか葬儀に行くような気分でもあり―

コンサートのリハーサル映像とはいいながら、
彼の死を強調するようないやらしい造りだったらいやだな、と思っていたけれど、
製作者の品位が感じられる編集で、それはまったくなく。
おかげで一度目は、映像の中のM.Jの、予想以上に元気で意欲的で、
10年のブランクを感じさせない歌唱力とダンスに圧倒され、
必死に鑑賞するのが精一杯で、あまりのクールさに感激しての涙はあったものの感傷はあまり感じなかった。
ひたすら感動して興奮した。

なので、友だちと観に行く2度目はさらに余裕があると思っていたのだけれど。

作戦ミス。

多少余裕があって映像の中のM.Jを観ると、
彼が嬉しそうに、意欲的に歌い踊る美しい姿が、逆に哀しいと感じた。
あと数時間の命と知る由もなく、若いスタッフにやさしく接する様子は、観ていて切なかった。
完璧主義者のM.Jにとっては、いつもの衣装ではない、流したダンスの「Billy Jean」など
観てほしくはないはずなのに。
最初から最後まで涙が止まらず。

本当に、マイケル・ジャクソンに別れを告げる葬儀と感じた・・・

上映期間は(予想通り)延長となったけれど、
あとはDVDを買うことはあっても映画館には行かない。行けそうもない。
葬儀はあれでたくさんだ・・・

初日だけでなく1週間後の上映でも、エンドロールが流れても誰も席を立たず、
照明がつく直前に客席から自然に拍手が沸き起こった。

彼の数奇な人生と、
死した今もなお、人々の心を揺さぶり続ける怖ろしいまでの才能に敬意を表して―

これが最後の、エンターテイナーのM.Jに私が送る拍手だ。

334766_002.jpg

ニックネーム Lin at 21:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする